いたずらおばけ (こどものとも絵本)
和田 義三,瀬田 貞二
福音館書店
おすすめポイント
タイトルに「おばけ」とありますが、怖いお話ではなくどちらかといえばおもしろいストーリーです。
おばあさんが道で金を拾って喜ぶのですが、その後、様々な出来事に会うことでだんだんと見つけたものがしょぼいものに変わっていってしまいます。
それでもおばあさんはそれを不幸とは思わず、プラス思考で良い方向に考えていきます。
最後には結局すべてなくなってしまうのですが、それでもいいものが見れて良かったと言います。
起こった出来事をどう解釈するかは本人次第なので、良いように考えればどんな出来事も良いことのように思えるということです。
考え方ひとつで幸せにも不幸にもなるということをストーリーでおもしろく表現されています。
子供に読み聞かせたい絵本のひとつだと思います。
内容紹介(Amazonより)
むかし、ひとりぐらしの貧乏なおばあさんが、道ばたで大きな壺を見つけました。ふたを取ると、なかには金貨がぎっしり。壺をショールのはしで結わえて、引きずりながら家へと持ち帰ることにしました。家への道すがら、金貨のつかいみちを考え、「おおきなうちをかって、だんろのそばでおちゃをのもう」とすっかり豪勢な気分に浸っていると、壺はいつのまにやら銀のかたまりへと変わっていました。ところがおばあさんは、「ぎんならしんぱいじゃないし、きがらくだ」と、なおも楽しそうに想像を続けます。すると、今度は銀は鉄のかたまりとなっていました。そして、鉄は石となり、しまいには……。それでも、おばあさんは「なんてしあわせなんだろう」と笑いが止まりません。豪快で陽気なおばあさんの、とっても愉快なイギリスの昔話。1978年に「こどものとも」として刊行された作品を、瀬田貞二生誕100年を記念して出版します。
ストーリー
むかし あるところにひとりのおばあさんがすんでいました。
貧乏でしたが朗らかな性格でした。
うちへ帰る途中に道端の溝で黒い大きな壺を見つけました。
おばあさんが壺のフタを取って中を覗くと金がぎっしり入っていました。
ショールを結んで持って帰る時にどうするか色々考えます。
途中で少し疲れたので立ち止まりお宝を見ると、金の壺がなくなって銀の塊に変わっていました。
夢を見ていたかな?こっちの方が気が楽だ、と思ってまたお宝を見ると鉄の塊になっていました。
また夢を見ていたのかと思いましたが、こっちの方が役に立つのでよかったと思い直しました。
と思ってまたお宝を見ると今度は大きな石になっていました。
また夢だったかと思いますが、石が欲しかったからちょうど良かったと思い直しました。
そして、石につけていたショールを取ろうとすると、中からおばけが出てきてあばれてから逃げていきました。
おばあさんはいたずらおばけを見ることができて幸せだと思いました。
幸せいっぱいで笑って一晩過ごしました。